事例紹介:木くずの破砕施設(産業廃棄物中間処理業(15条施設))の許可申請

産業廃棄物関連の許可認可の中でも、難易度が高いとされ、かつ許可取得までに要する期間も年単位で必要な産業廃棄物処理施設設置許可申請及び、それに付随をした一般廃棄物処理施設の設置許可申請をさせて頂きました。

  • 産業廃棄物処分業の許可を取りたいけれど、近所に対応してくれる行政書士がいない
  • 産業廃棄物処分業の許可を取りたいけれど、一体なにから始めたらいいのかわからない
  • 産業廃棄物処分業許可取得って物凄く大変って聞いているけれど、実際はどうなのだろうか?

などのお悩みをお持ちの方も是非ご一読頂ければと思います。

事例について:なぜ産業廃棄物処理施設の設置をしようとお考えになったのか?

今回の案件は、元々造園工事業を営んでいる会社様で、同時に一般廃棄物としての木くずを破砕し、木材チップとして売却する工場もお持ちになっている会社様でした。最近は被害の大きい自然災害も続き、一般廃棄物としての木くずの受け入れも多くなっているし、それと共に産業廃棄物処理業の許可も取得して、産廃の受け入れも始めることを検討。

破砕機に関しては既存のものを使用することとする。

当該施設の取り扱い品目など

取り扱い品目:木くず

施設の規模:破砕5t/日以上の施設

たんげそう行政書士事務所へご依頼の経緯

今回ご依頼の会社様は建設業許可もお持ちで、他の行政書士先生が関与して毎年経営事項審査などもなさっている会社様ですが、その行政書士先生が「産業廃棄物処理業(15条施設の設置許可含む)は難易度が高くて出来ません」と申請をお断りになったという事で、どうすればよいのかわからずに懇意にしている信金の担当者様にご相談したことがきっかけで弊所へのご依頼となりました。

「産業廃棄物処理施設」という言葉の定義が重要です

当該事例の木くずの中間処理場は廃棄物の処理及び清掃に関する法律で規定する「廃棄物処理施設」に該当しておりました。それでは、「廃棄物処理施設」とは一体何でしょうか?

産業廃棄物を破砕したり、焼却したりする施設を一般的にですが特に意識もせずに「処分場」といったり「中間処理施設」と言ったりすることは多いと思います。「破砕処理施設」や「焼却処理施設」といったりする場合もあるし、それで意味も通じると思います。しかし、「廃棄物処理施設」という言葉は廃棄物の処理及び清掃に関する法律で以下のように定められており、手続き上は該当の施設(破砕機や焼却炉)が「廃棄物処理施設」に該当するか否かが重要な分かれ目になっております。

産業廃棄物中間処理施設の許可申請とは?

「産業廃棄物中間処理業の許可申請」と一口に言ってもその内容は物凄く複雑かつ、色々な許可や届出をしなければなりません。また、便宜上というか、意味をよく知らずに?というかは別にして一般的言われている「産業廃棄物中間処理施設(「産業廃棄物処理場」など一般的な呼称は何でもいいのですが」には大きく分けて「法律上の”産業廃棄物処理施設”に該当する処理場」と「産業廃棄物処理施設に該当しない処理場」が有ります。

廃掃法第15条:産業廃棄物処理施設に該当するか否かが大きな分かれ目です

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下廃掃法とします)上で「廃棄物処理施設」とされるのは第15条で定めれられており、一定以上の処理能力がある中間処理施設を言います。

廃棄物処理施設に該当する処理施設の規模の詳細は以下のように廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則第7条に定められております。

分類 産業廃棄物の種類・処理方法 処理能力
第1号 汚泥脱水施設 10㎥/日を超えるもの等
第2号 汚泥乾燥施設 10t/日(天日乾燥の場合は100t/日)
第3号 汚泥焼却施設 5㎥/日を超えるもの等
第4号 廃油油水分離施設 10㎥/日を超えるもの等
第5号 廃油焼却施設 1㎥/日を超えるもの等
第6号 廃酸又は廃アルカリ中和施設 50㎥/日を超えるもの
第7号 廃プラスチック類破砕処理施設 5t/日を超えるもの
第8号 廃プラスチック類焼却処理施設 100㎏/日を超えるもの等
第8号の2 木くず又はがれき類破砕施設 5t/日を超えるもの
第9号 水銀又はその化合物他(別表第三の3に定める物質)又はダイオキシン類を含む汚泥のコンクリート固型化施設 処理能力にかかわらず全ての施設
第10号 水銀又はその化合物を含む汚泥のばい焼施設
第11号 汚泥、廃酸又は廃アルカリに含まれるシアン化合物の分解施設
第11号の2 廃石綿又は石綿含有産業廃棄物の溶解施設
第12号 廃ポリ塩化ビフェニル(廃PCB)等、PCB汚染物又はPCB処理物の焼却施設
第12号の2 廃PCB又はPCB処理物の分解施設
第13号 PCB汚染物又はPCB処理物洗浄施設又は分離施設
第13号の2 第3,5,8及び12号を除く産業廃棄物焼却施設 200㎏/日を超えるもの等
第14号 最終処分場(遮断型最終処分場等) 全ての最終処分場

上記表の処理能力以上の施設(破砕機など)をもって操業する中間処理施設は「産業廃棄物処理施設」とされて、法律上の手続きとして「産業廃棄物処理施設設置許可」をしなければならず、それに伴って、「環境影響調査(いわゆる「アセス」というものです)」も行わなければなりません。そして、「廃掃法第15条に該当する産業廃棄物処理施設」に該当すると建築基準法第51条に該当する施設となるため「建築基準法第51条ただし書き申請」というものをしなければなりません。そして、この「建築基準法第51条ただし書き申請」をすると施設を設置する自治体で開催される「都市計画審議会(都計審といわれます)」の議を経なければならないこともあり、こちらの手続きも大変になります。

つまり、産業廃棄物の中間処理施設の操業許可申請は上記表の処理能力を超えるか?超えないか?によって手続きに関する工程数も、完了までにかかる日数も段違いになるという事なのです。

因みに、上記表の処理能力は「実際に当社は”この量しか処理をしません”」という処理量ではなく、その会社様が保有していらっしゃる機械(使おうとする機械)の持っている能力によって決めます。(その能力をマックス迄使うか使わないかは問題とならず、例えば導入予定の廃プラの破砕機のカタログ上のスペックが8t/日だとしたら、実際に予定している一日の処理量が3tだとしても、15条施設と認定されてしまいます)

許可取得までの工程:産業廃棄物処理施設に該当する場合

大まかではあり、かつ下のフローに載っている手続き以外にも施設を設置する自治体によって消防への届出や、下水道関係の手続きなどもある場合もありますのでご注意下さい。

上記は廃掃法に関連する届出のフロー図となっており、これらとは別に先に述べたような「建築基準法第51条ただし書きに関する許可申請」が必要となりあす。

・建築基準法ただし書き申請は大体「施設の設置許可申請手続き」と並行して進めます

・建築基準法ただし書き許可申請は処理施設を設置する各自治体で行われる「都市計画審議会(都計審)」というものの議を経なければならいが、その各自治体に都計審自体が年に3回(4回)の不定期開催としているところが多く、かつ昨今はこのコロナ禍の影響で開催回数を減らしている自治体も非常に多くなっているので、この申請自体も許可が出るまで相当時間がかかる手続きとなっております。

(一例ですが、私が最近出した51条但し書き申請は許可が下りるまで8か月以上かかりました。提出した計画などに特に補正点・改善点等何もないのにです。)

許可取得までの工程:産業廃棄物処理施設に該当しない場合

廃掃法で規定されている”産業廃棄物処理施設”に該当しない産業廃棄物中間処理施設に関する許可申請の流れは大まかではありますが、下図のようになっております。

 

産業廃棄物処理施設に該当する・しないの差とは?

手間と時間、及びその手間の増加に伴って生じる許可取得費用が段違いで異なります。手間の部分で言えば大体下の3つが「処理施設の設置(15条施設)」には必要になってくるので、手間と時間がかかってきます。

  1. 環境影響調査をしなければならない
  2. 施設の設置許可を取らなければならない
  3. 都市計画審議会の議を経なければならない

これらのお手続き、「たかが3つ、されど3」で1つ1つどれをとっても「年単位」の大仕事になります。

今回の51条施設許可事例について

こちらお客様については、破砕施設の能力が15条施設に(木くずの破砕が5t/日以上)該当しておりましたので、もちろん「産業廃棄物処理施設に該当する場合」の手続きとして、建築基準法第51条但し書きの申請及び産業廃棄物処理施設の設置許可申請の両方をしております。

今回のお客様はもともと一般廃棄物の許可を持っていらっしゃっていたことに加え、事業の拡大を目指して産廃の許可もという事でのご依頼でした。最初のヒアリング時より「1.5年~2年はかかります」というお話をさせて頂き、ご納得いただいたうえでお仕事をさせて頂いておりましたがしかし途中に「コロナウイルス」という不測の事態が起こり、色々なことに遅れが出てくることが避けられない状態になり(とある町の都市計画審議会が全く開かれな状態になってしまいました)、当事務所としてもどうすこともできなかったのですが申し訳ない気持ちになっておりましたが、多大なご協力・ご尽力を頂いたこともあり無事にご依頼から2年弱で許可取得(産業廃棄物15条施設+一般廃棄物処理施設)をすることが出来ました。

お客様から感謝の声も頂いております

大変ありがたいことに過分なお褒めのお言葉も頂戴しておりますので、お客様の声を掲載させて頂きます。

 

産廃処理施設申請のこと、たんげそう行政書士事務所に相談してみませんか?

産業廃棄物処分業の許可申請は、完了までに最低でも1年以上、通常2年位の期間を必要とするような、本当に莫大な時間と労力を必要とする手続きなので、本業の傍らにやることはほぼ不可能かと思います(総務の方一人を産廃許可専門にすることが出来るなどの特殊事情があれば別ですが)。当事務所では、最初のヒアリング、事業計画の策定(書面化は当事務所でしまうすが、事業内容はお客様の”やり易さ”が一番なのでお客様に考えて頂きます)委任状への押印以外の煩わしい行政との折衝、事前調査、書類作成などは全て当事務所でさせて頂きますので、お客様のお時間の消費はかなり削減できると思います。

また、環境影響調査に関してもたんげそう行政書士事務所からの紹介で、業者を手配することも可能です。

正直、産業廃棄物処分業の許可申請に関しては、案件を10お問い合わせ頂いた中から、許可取得に至るのは1件あるかないかだと思います。それでも「この場所で破砕施設を設置したい!」や、「産廃の処分業をやりたいのだけれど、この候補地で可能だろうか?」というようなお悩みのある方は一度たんげそう行政書事務所にご相談頂ければと思います。

 

 

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